医師の長時間労働は減るのか?

病院

 

週刊東洋経済  2020年1月11日号”

【第1特集】病院が壊れる 再編・淘汰の嵐の中で残る病院、消える病院  より

 医師の長時間労働は以前より問題になっています.いろんな職種で長時間労働はあるでしょうが医師の世界は「患者の命」が人質になっているため,時間がきたから帰りますとなりにくいです.

 経営陣が「8時間で帰るよう指導しています」といっても,現場は「医師として」というか「人として」,じゃー帰りますとはなりません.

 労働基準監督署も基本は介入しません.知ってるけどタレコミがないと介入しないです.

 超過勤務記録で80時間を超えると産業医の面談がありますし,直属の上司にお達しがきます.それが面倒くさいとか,上(直属の上司)からやいやい言われるのが嫌80時間手前で申請を止めている人が結構います.

 聖路加国際病院でも80時間越えの人が減ったのは事実でしょうが,提出されている超過勤務報告書と実情は異なっています.80時間越えている人は「まじめにつけている」か「お金が欲しい」ぐらいで,呼び出しや,上司の顔色をうかがう医師は80時間手前で超過勤務の申請を押さえています. みんな知っているのにいいません.偉い人も知ってます.ここをつつくと面倒くさいのでそーっとしています.

 タイムカードがあるのでそれとの乖離を見ればすぐわかります.もちろん本気を出せばタイムカードを通した後にサービス残業すればいいのです.

 もちろん,長時間労働はすべてが嫌々やっているわけではありません.

 若い先生なんかは技術や経験を積みたいため,率先して残って手術を手伝ったり,学会発表の準備をしています.プロスポーツ選手が8時間でトレーニングを制限されるのでしょうか?8時間越えたら超勤?なのでしょうか?上を目指すにはハードワークが必要かこともあるでしょう(休むことの重要性はここではおいておいて).医師にもそのような側面があり,超過勤務が「過重労働」に直結しているわけではありません.仕事の側面と修行の側面があり,好き好んで厳しい修行をするひとはいます.

 ただ過剰な超過勤務は問題ですし,ほとんどの人はしっかり休みたいという希望はあります.

 本気で介入しないのは

人が足りないからです.

 8時間で必ず帰宅させたら急性期の病院なんか回りません.急患断ってもいいなら別ですが,急患を受け入れたられたらいろんな科で超過勤務が発生します.

 医者を増やせばいいのです.質が落ちる懸念がありますが,優秀なのに医学部に入れない学生はいっぱいます.下を増やすのではなく,上の受け皿をもう少し広げてあげればいいのです.

それをしないのは医師の数が増加すればパイの取り合いが厳しくなるから出てす.既得権益を守るには医師はあまり増やさないほうがいいのです.

 平等(怖い言葉です)にすべての大学で受け入れ人数を増やすと,普通の方が考えるような質の低下は必発と思います.

 医師の超過勤務は減ってきているのは事実ですが,まだまだ足りていないというのが私の印象です.小松先生が述べられた「立ち去り型サボタージュ」のように疲弊したやる気のあった医師は前線から去っていくことになります.これは医療界として大きな損失です.

 優れた医師に仕事がどんどん回ってきて,疲弊してやめていく.できない医師に仕事は頼みたくないので優れた医師から順に抜けていくのです.優れた医師はだいたいバイタリティーがあるのでそんな簡単には壊れませんが,限界があります.

医師側の都合を理解してほしいです

外来で待たされる

 なぜでしょう?予約をたくさん入れるからです.患者を待たさない範囲でゆとりのある予約枠を設定すればいいのですが,そうすると腹痛の患者さんの予約が半年待ちとかどこかの外国みたいになります.そこを無理して診療するので診療までの待ち時間がでてきます.

 医療崩壊は確実に進んでいます.

一般企業の希望退職と同じですが逃げるのは優秀な人からです.

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