外来で切除したポリープの結果を聞きにいって

早期の大腸がんでしたが,大丈夫ですよ.
と言われた方,心配ですよね.
本当に大丈夫なのか?
粘膜内から粘膜の少ししたの粘膜下層にわずか(1mm未満)に浸潤したがんはほとんど転移しません.
「ほとんど」というと「もし,転移したらどうするの?」ということになります.
可能性の話をすると「100%大丈夫」なんてどの医者もいいません.
転移を恐れるひとにもし治療するなら「手術」により病巣と周囲のリンパ節を一緒に切除するということになりますが,これも「100%安全」ではありません.
そのため非常に早期のがんであった場合に,「そのまま放置するリスク」と「追加手術するリスク」のどちらが大きいかを見積もることになります.
上に述べたように粘膜下層にわずかに浸潤した大腸がんの転移のリスクは,手術でリンパ節を含めて切除するリスクに比べて一般的に低いと見積もられているため,普通は内視鏡治療で終わり,経過観察をすることになります.逆に粘膜下層のそれなりに深く浸潤したがんはリンパ節転移のリスクが手術をするリスクを超えるので手術を勧めることになります.
もちろん,手術のリスクが高い高齢者や合併症をもっているかたは粘膜下層浸潤をもう少し(1㎜以上)していても場合によっては追加手術のほうがリスクが高いと判断されれば手術が行われず経過観察が行われることがあります.

基本的には非常に早期の大腸がんを内視鏡で切除した場合は追加手術はおこないません. 主治医が 手術が必要だと思うときはそのようにいいます.
大腸がんは食事の欧米化などで徐々に増えてきています.そのためわたしは便潜血検査をやるよりも大腸内視鏡検査を5年に一度ぐらいはやったほうがよいと考えています(個人の意見です・・)
大腸内視鏡検査を受けてポリープ切除をしたら「大腸がん」といわれたという方がちらほらおられると思います.予想外に大腸がんだったという人もいますが,内視鏡医はだいたいは取る前にはがんではないかと予想しています.基本的に大きいものががんの可能性が高いです.あとは形がいびつなものが挙げられます.
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