ヘリコバクターピロリ菌を除菌するのか?

病院

ヘリコバクターピロリ菌(ピロリ菌)の除菌はずばり

したほうがいいです

 除菌した方が良いかと聞かれると,ほとんどの医師は除菌した方が良いと答えるでしょう.めんどくさそうに副作用を説明して除菌を回避しようとする医師がいるかもしれませんが,自分が陽性であることを知って放置している医師はまずいません(何人か放置しているかわった医師を知ってはいます).

  では,なぜ除菌をするのかについて解説していきます.

対象

  • 検診などでヘリコバクターピロリ菌(ピロリ菌)が陽性といわれた方
  • ピロリ菌がいないか気になっている方

そもそも,ピロリ菌は調べたほうがいいのか?

  この記事を読んでいる時点で気になっているとも思いますので調べたほうが良いです

 検診や人間ドックの血液検査で調べてくれることがあります.調べ方にはいろいろな方法があります,胃カメラの時に胃の粘膜を少し採取し培養するほか,血液以外に,尿検査便検査・息を吐いて(呼気試験)でも調べることが可能です.

 家族間で移る可能性があるので,両親や兄弟が陽性であった人は,ご自身が陽性である可能性が通常より高くなります.

除菌のメリットはなんですか?

  慢性胃炎・胃十二指腸潰瘍や胃がんにかかるリスクが減ります

(他にもいくつかの病気の発生に関与しています).胃がんに対するリスクの低下は高齢で除菌した場合はそれほどないですが胃炎や潰瘍は確実に減ります.

 あと,わずかですが次世代への感染の広がりを抑えれます.

除菌のデメリットはなんですか?

 ピロリ菌の除菌が成功すると胃酸分泌が改善(上昇)するため,一時的に十二指腸炎や逆流性食道炎になる可能性があります.多くの場合は改善しますが,もともと逆流性食道炎を持っている方は少し悪化する可能性があります.ただ当初言われていたほど逆流性食道炎のリスクは高くないため,よほどひどい逆流性食道炎の方以外は問題ないと考えます.

 あと,除菌療法に伴う副作用があります(後述).

除菌はどうやってするのか?

 お薬を3種,抗生剤2種類と胃薬を1種類 を1週間服用します.一日 10錠,朝5錠・夕 5錠 と多いですが一週間内服するだけですので,多くの患者さんは受け入れてくれます. 最近ではわかりやすいようにパック製剤になったものもあります.

副作用にはどのようなものがありますか?

 抗生剤の副作用の可能性がある.

  •  便が緩くなる
  •  皮膚にぶつぶつかゆみが出てくる(発疹)
  •  味が変になる(味覚障害)
  •  肝臓・腎臓障害

 これらの副作用は必ず起こるわけでなく,起こったとしても多くの場合は軽いものです.

 ここで問題なのがこれらの副作用が出た場合患者さんが自分で除菌を中止してしまうことがあることです.もちろんお薬の副作用ですので除菌療法を中止するのが正しいのですけれども,同じお薬で再除菌をする場合,ピロリ菌はそれらの薬に耐性を獲得してしまって,再除菌(やり直した場合)の除菌率が非常に低下します.そのため,もし副作用が出たけど大したことがないなと思う場合は休止せずにそのまま一週間飲み切っていただいた方がよりと思います.ただ,本当にしんどい場合は中止して速やかに医療機関を受診して下さい.

Doctor_man
Doctor_man

副作用がでても,慌てて中止しなくて大丈夫です

 ピロリ菌が陽性でも除菌ができない?

 ピロリ菌が陽性だからといって除菌できるかというとそうではありません.

 保険診療でピロリ菌の除菌を行う場合,一年以内に胃カメラを受けて慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍があることを証明する必要があります.除菌する施設で必ずしも行わなくてもいいですが,いつ,どこで胃カメラを行って,診断はどのようであったかは除菌してくれる先生に伝える必要があります.

理由はピロリ菌は胃がんの発生に関与しており,ピロリ菌陽性のかたは胃がんの発生率が陰性の人より高いです.そのため胃がんの除害のために胃カメラを受けることが必須となっているのです.

除菌の成功率は?

85%程度です.

 報告によりばらつきがありますが,除菌療法を行っても必ずしもピロリ菌が死滅するわけではありません. もし,最初の治療がうまくいかなかった場合,2次治療があるが,それでもだめだった場合は現行の保険制度では3段階目の治療は認められていない.ピロリ菌と共存していくほかないのである・・・

除菌後の注意事項

かならず除菌判定を受けましょう.

除菌判定時には胃カメラ(内視鏡)は不要です.

 たまに,除菌の薬を飲んでそのままの人がいます.除菌が成功したかは息を吐く検査で分かるので,ほったらかしにせず,確認しましょう.

胃カメラのフォローは定期的にしてください

 胃潰瘍や慢性胃炎の改善にはピロリ菌の除菌は非常に効果がありますが,胃がんの発生率の減少に関してはピロリ菌の除菌はそこまで強い影響は与えません.除菌したら胃がんにならないわけではないのでピロリ菌を除菌しても胃の定期検診は受けてください. もちろん,胃がんになる可能性はわずかですが減ります.


Doctor_man
Doctor_man

 ピロリ菌を調べたことがない人は一度調べてもらいましょう

もちろん胃潰瘍の治癒確認などのほかの理由で複数回の胃カメラが必要な場合もあります.

ピロリ菌を除菌したらもう大丈夫でしょうか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました