痛みを正確に伝える

がん

痛みは正確に言ってください.別にがんによる痛みだけではないですが,どうしても日本人のがん患者さんは痛みを我慢する傾向が強いです(ほかの国の人はほどんど診たことないですが).

 日本人は「別に痛くないです」とか「大したことないです」とか,見栄を張っているわけではないのでしょうが,我慢することが「美徳」であるような意識が根底にあるのでしょう.

 痛み止めが体に悪いから「我慢する」というかたもおられますが,痛み止めの副作用のコントロールも医師の仕事ですので,そこは任せていただきたいです.それより痛みを我慢されて,生活の質(Quality of Life)を低下させていることのほうが問題です.

 逆に,本当に痛いのかなと思われるような患者さんもおられます. 身体的な痛み以外に,精神的な痛みもあるので別に「うそ」をついているとは思っていません.詐病といって病気のふりをする病気?がありますが,背景にそのようなことをする原因があるはずです.痛くないのに「痛い」という人は何か理由があるのです.

 いずれにせよ

 痛みは正確に伝えてほしいですが,痛みを表現することは難しいです.医師が「チクチク」ですか,「重い痛み」ですかとかいろいろな表現で聞いてくるかもしれませんが,「チクチク」ってどんなの?「重い」どういうこと?と思っている患者さんもおられるのでは.また「場合によって変わるよ 」というかたもおられるでしょう.

 とりあえず,主治医に伝えなくてはいけないことを書いておきますので受診の際には参考にしてください.これらは痛み以外にもいろいろな症状の訴えを説明する時にも重要になります.受診時に説明しようとしてもよく覚えていない患者さまもおられるので,できればメモを取って持ってきていただければと思います.結構主治医の前に来ると伝えたいことを忘れる人が多いです.

 心配事があれば主治医にぜひ聞いてください.あまり個人的な悩みは解決しかねますが(仕事とか親・子供のこととか),医学的なことはできるだけ何とかしてくれます.

  がんの治療は医師だけではなくいろいろな職種の人がかかわってくれます.看護師さんや栄養士さん,薬剤師さん,ソーシャルワーカーさんなど・・・医師に相談しづらいことは,ぜひそれらの方々に相談していただきたいです.

 お金のことは医事の方が相談に乗ってくれたりもします

痛みの場所

 いろいろ変化しているのか,決まったところが痛むのか.

痛みの持続性

 ずーっと痛いのか,波があるのか?波があるならその間隔は?痛みの持続時間は?

 痛くなる時間帯

 胃痛や腹痛の場合は食事との関係,特に食前なのか食後なのかなど規則性があるのか?

 ほかには寝る前なのか,明け方なのかなど

痛みの程度

 我慢できる程度なのか,痛み止めを飲む必要があるのか?

 痛み止めを服用している場合は,いつ服用したかも重要です.一日のなかでいつ服用したのかで痛み止めによる鎮痛効果を評価します.記録したものを見せていただければ非常に参考になります.

もし次の痛み止めを飲むまでの間隔が短いようなら痛み止めの種類を変更する必要が出てきます.

麻薬(モルヒネ)の悪いイメージ

 

 痛み止めはバファリンのような解熱・鎮痛剤(非ステロイド)を投与します. たまに使うとか一日1,2個程度ならいいのですが,頻繁に用いるようであれば胃への負担も出てきますので 「麻薬」の使用を考慮します.

「麻薬」という単語に非常に悪いイメージがあるため,医者も使いにくいです.「モルヒネ」も高齢の方にはイメージが悪いです.そのため,医用麻薬であるモルヒネの使用を日本人はためらっていた時期もありますが,最近はさすがにそんなことはなくなってきています.呼び方も医療用麻薬とか医療用モルヒネなど「悪い麻」薬と区別するようになっています.医療関係者は「オピオイド」とかいったりしますが,この「オピオイド」という語がもう少し広がれば説明しやすくなります.麻薬を始めるときは言葉選びに気を使います.

 中には麻薬を使うとあとは死ぬだけとか廃人になるとかネガティブなイメージをもっています.

 今は医療用麻薬はバリエーションが増えて使いやすくなっていますし,副作用のマネジメントも改善されています.

tomorrow
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痛みは我慢しても病気が良くなるわけではないので,遠慮なく伝えてください

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