これが要らない健康診断(週刊ポスト記事)に思う

内視鏡
young man on a table. worried expression

これが要らない健康診断 

週刊ポスト 2019年11月8・15日号

名医が教えるこれが最新知見です.
要らない健康診断

 最近,薬が要らないなどと患者をあおって,外来を混乱させている週刊誌ですが,珍しく普通の記事がありました.といっても評価に自信があるのは消化器だけですが.すこし,他の分野も眺めてみましたら,ある程度は納得できる内容でした.

 しかし,血圧は測ったほうがいいです.ある程度,高齢者で高くなるのは仕方ないですが,あまりに高いと介入が必要です.コレステロールも基準の話が書いてありますが一見すると,「測ること自体が不要」みたいに受け取られかねません.この辺はちょっと不安をあおっている印象がありました.それでも最近の記事に比べたら良心的です.

 以前より便潜血検査による大腸がん検診やバリウムによる胃がん検診の有用性が問題視されています.

 国民をターゲットにするなら簡便な便潜血検査は非常にいいと思います.いきなりすべての国民に「大腸ファイバー検査を受けろ」といっても,まず受けてくれませんし,検査をさばけるほどの医療機関がありません.便潜血検査でふるい分けして陽性の人だけを大腸ファイバー検査したほうが効率的です.これは胃のバリウム検査にも当てはまります,バリウムを飲んで技師さんに写真を撮ってもらうだけ(これはこれで大変なのですが)のほうが全例胃カメラするより手っ取り早いです.そこで何かあった人だけ胃カメラをすれば無駄が減ります.国家や自治体レベルで見た場合,この理屈は非常に理にかなっています. 少々の見落としは,全体の幸福(利益)の前にはやむを得ないです.

tomorrow
tomorrow

ただ個人で見た場合は別です.

 

 自分が見落としグループに入ったら大変です!

 便潜血検査を信用しているかときかれたら,「してません」.

 医者で便潜血検査なんか受けている人がいているのでしょうか?わたしのまわりではいきなり大腸ファイバーしている気がします.

 便潜血検査は進行がんを検出してくれるかもしれませんが前がん病変である腺腫(せんしゅ)を指摘はしてくれません.腺腫は放置するとがんになるので大腸ファイバーをして,みつかれば切除する必要があります.これによりがんになることが防げます.便潜血検査で進行がんをひっかけても遅いのです.

患者さん
患者さん

進行がんなんかになりなりたくありません.

 胃カメラも同じで,自分のがんの発見を考えると,間違えなくバリウムではなく胃カメラを選択します.そもそも,バリウム検査もしんどいのでわたしは受けたくないです.

 数年に一度胃カメラを受けることで十分です.これからみんなバリウム検査を受けなくなるので,検査ができる医師・技師さんが育たなくなり,ますますすたれていく検査となるでしょう.

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